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花火写真の基礎講座

STEP6



■露出について

    露出とは何か、ということまで説明すると長くなりすぎるのですが、簡単に言えば、「フイルムにどれだけの光を当てるか」ということで、「絞り」と「シャッタースピード」の組み合わせで光の量をコントロールして、フイルムの感度に合わせて、ちょうどいい光の量を調節することです。
    これは、写真の原理であって基本ですが、一般の人はあまり意識したことはないのではないでしょうか?
    なぜなら、最近のほとんどのカメラはピント合わせがオートフォーカスであるように、露出も自動化されているからです。
    誰でも簡単に写真を撮るためには自動露出は欠かせない機能なのですが、花火の撮影では、その自動露出はほとんど使えないと考えなくてはいけません。
    暗闇に突如として現れる花火をあらかじめカメラが予測して露出を決めるのは不可能でしょう。(花火撮影モードなんて機能が付いたカメラが発売されれば別かもしれませんが)
    というわけで、露出が分からないと花火を撮れないということになってしまうのですが、ここでは、花火を撮影することだけを考えた時の露出について書いていますので、それほど難しく考えずに、書いてある通りの設定ができれば、まず問題はないという露出を伝授したいと思います。(露出の設定の仕方については、お持ちのカメラの説明書を見てください。)

    絞りはf8で固定が基本

    またしても一般の人にはわかりにくいことなのですが、「絞り」というのは、レンズにある機構のことで、絞りによって、入ってくる光の通り道を広くしたり狭くしたりして光の量を調節するものです。
    絞りの大きさを絞り値(f値)と呼び、f2.8とかf16などと表現し、fに続く数字が小さいほど光の通り道が広く、数字が大きいほど狭いことを表しています。
    レンズにはそれぞれ最高に開いたときの絞り値と最小に絞り込んだときの絞り値があり、それぞれ「開放絞り」「最小絞り」といいます。
    その値は、レンズの設計により様々で、一概には言えませんが、一般的に開放絞りの数字が小さければ小さいほど性能のいいレンズと言われています。
    撮影の際は、この絞りを調整することで、光の量を調節するだけではなく、写真の表現の一つ「ボケ」をコントロールするという意味もあるのです。
    こんなことをいきなり説明されても困ると思いますが、花火を撮るには、実は、ある程度お決まりの絞りというものがあります。
    花火を撮るには、この絞り値をf8にするのが無難です。
    実際には、一コマに写し込む花火の数や花火の色などにより微妙に絞りを変える必要があるのですが、開いてみないと分からない花火を撮るために絞りを変えるのはかなり難しいものです。
    もう一つの目安としては、スターマインなど、たくさん写る場合は、f11〜f13くらいまで絞った方がいいようです。
    ただ、実際は、花火の撮影に慣れるまでは、その都度露出を変えるのはかなり難しいと思いますので、f8固定でもさほど問題はないと思います。
    本来はISO50とISO100では露出が変わるはずですが、花火の撮影では、どちらを使っても絞りはf8でほぼ問題ありません。
    絞りと花火の写り方の関係としては、絞りを絞るほど(絞り値を大きくする)花火の一本一本の光の線が細くなり、絞りを開ける(絞り値を小さくする)と、花火の線が太くなるのと同時に明るくなり、場合によっては白く飛びぎみになることがあるということです。
    花火の線が細すぎたり暗すぎると迫力がなくなり、太すぎたり明るすぎると間抜けに見えてしまうのです。
    このへんのバランスの一番いいのがf8ということです。

    シャッタースピードはバルブで

    もう一つの露出調整機構がシャッタースピードの調節です。
    シャッタースピードというのは、感覚的にもわかりやすいと思うのですが、フイルムにレンズから入ってくる光をどれだけの間当てているかということを調節することです。
    シャッタースピードが長ければ長いほどフイルムに当たる光が多くなることになり、写真としては明るくなるということで、逆にシャッタースピードが速ければ早いほど暗くなるという関係ですが、最終的には、シャッタースピードと絞り値の組み合わせでフイルムに当たる光の量が決まるということになり、絞り値が一定ならば、シャッタースピードが変わることで、写真の明るさが変わりますし、シャッタースピードが一定ならば絞り値の変化で明るさが決まるという関係になるわけです。
    シャッタースピードは基本的には1/125秒とか1/60秒など、何分の1秒という単位で表現します。
    ところが、花火の撮影ではSTEP1にも書いた通り、バルブ撮影が基本になります。
    この言葉も、一般の方には馴染みのない言葉だと思いますが、バルブ撮影というのは、簡単に言えば、シャッターボタンを押している間ずっとシャッターが開いているという機能です。
    では、なぜバルブ撮影が必要なのか、おわかりでしょうか?
    それは、花火が開く原理を知ることでよりわかりやすくなると思います。
    花火というのは花火玉と呼ばれる丸い玉の中に、無数の「星」と呼ばれる火薬の粒が埋め込まれていて、花火が爆発し開くと、その星の一つ一つが燃えて色を出しながら広がっていくのです。
    その星が燃え尽きると花火は消えるわけです。
    ということは、星は爆発直後から四方八方に移動しているということです。
    肉眼では、残像を見ている部分も含めて大きく開いた花火に見えますが、瞬間を止めて見ることができるとすると、それは、点の集まりでしかなく、とても淋しいものになってしまうのです。
    そこで、花火を花火らしく撮影するには、その点の移動を最初から最後まで記録する事が必要で、つまり、花火が開く前にシャッターを開き、花火が開き終わったらシャッターを閉じるということが必要なのです。
    そこで、シャッタースピードは何秒とかいう固定的なものではなく、撮影者が意図的に閉じるタイミングを決められるバルブ撮影が必要になるわけです。

    撮影モードはマニュアルで

    ここまでの説明で、基本的な露出の設定は理解していただけたと思いますが、実際にカメラの機能で絞りをf8、シャッタースピードをバルブ撮影に設定しなくてはいけません。
    この設定を実現するには、ほとんどのカメラ(自動露出機能付きカメラ)の場合、自動露出機能を解除する必要があることを付け加えておきます。
    カメラによって機能が違うので一概には言えませんが、ほとんどの場合、露出モードにはフルオート、絞り優先モード、シャッタースピード優先モード、マニュアルモードなどがあり、カメラによっては逆光補正モードや、夜景モードなど撮影のシチュエーションによって使い分けるモードもあるようです。
    花火の撮影の場合は、絞りとシャッタースピードの両方を自分で決めるということになるので、マニュアルモードを選ぶことになるのです。
    普段自動露出機能を使っている場合、露出を自分で決めるというのは難しいことのように感じますが、花火の撮影に限ってしまえば、絞りをf8、シャッタースピードをバルブにセットしてしまえば、あとはレリーズのボタンを押すだけなのです。
    簡単でしょう?

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